表現の幅を広げよう!コード弾きの基本テクニック・アルペジオとは?
ずっとギターを練習していると、覚えた曲のおかげで色々なコードを覚えていきますよね。
メジャーやマイナーといった基本となるコードはもちろん、セブンスやナインスといった複雑なコードなど、少しずつ身についていくのが実感できるのではないでしょうか。
名前とフォームが一致しなくても、コードを見たときに「ああコレね、前に練習した曲でも出てきたな」と感じるようになったら成長の証です。
しかし、弾ける曲が増えるほど「なんかギターだけで聴くと全部同じに聴こえる…」と感じることもありませんか?
これは、基本的に右手の動きがストロークのみになっていることが原因です。
もちろんカッティングというストロークの延長で使えるアクセントをつけるための奏法もありますが、せっかくなら全く違って聴こえる弾き方も知っておきたいですよね。
そこで今回はアルペジオという奏法についてご紹介致します。
同じコードを使っていても印象が大きく変わる弾き方ですので、ぜひ覚えてくださいね。
アルペジオとは?
アルペジオとは日本語で分散和音と言われる奏法です。
読んで字の如く、和音(コード)を分散して弾く、という意味で、ストロークのようにコードを押さえた弦を一気に弾くのではなく一本ずつ弾く、ということです。
例えばCのメジャーコードをストロークで弾くと、コードを押さえている1弦から5弦までをジャカジャカと弾きますよね?
アルペジオの場合は左手でコードを押さえたら、5弦→4弦→3弦…、のように一本ずつ弾いていきます。
この時、一度弾いた弦の音を鳴らしたまま順番に弾いていくことで最終的に5弦から1弦までの音が重なり、コードの響きが完成します。
ちなみに、この『一度弾いた弦の音を鳴らしたまま』という部分が分散和音と言われている理由で、1弦ずつ音が切れてしまうと、ただの『単音弾き』になってしまいます。
これでは最終的に1弦の音しか鳴らずコードの響きは残らないため、注意しましょう。
アルペジオの使いどころは?
「同じコードの響きになるのであれば、弾き方なんて同じでも良くない?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、実はこのアルペジオという弾き方をすることで表現の幅が大きく広がります。
例えば曲の中で抑揚をつけたい時、ストロークだけで弾こうとするとピッキングの強弱のみでアクセントをつけなければいけません。
もちろんそういった表現方法もありますが、アルペジオを使うことで1曲の中で、さまざまな表情をつけることが可能になります。
さらに、直線的なイメージのあるストロークと使い分けることで曲をより複雑に聴かせる効果もあります。
曲の中で静かに聴かせたい時や立体感を作りたい時に使えるので、ぜひ習得しましょう。
実際、どのくらい雰囲気が変わる?
ここまでご説明してきましたが、なかなか音楽のことを文章だけでイメージするのは難しいですよね。
そこで最後に、同じ曲でストロークとアルペジオを弾いた場合、どれくらい雰囲気が変わるのか聴き比べてみましょう。
使用する曲は叙情的な歌詞と切ないメロディーで若い世代からの支持を集めている3ピースロックバンド・back numberのクリスマスソングです。
ストロークバージョン
アルペジオバージョン
いかがでしたでしょうか、同じメロディー、同じコード進行でも、弾き方だけでかなりイメージが変わりますよね。
もちろん一曲を通して同じ弾き方で弾くのも好みですが、自分のセンスで使い分けてみても、またギターを弾く楽しみが増えますよね。
一度覚えた曲が弾き方一つで別の曲に聴こえる奏法ですので、まずはしっかりと音を鳴らせるスピードから練習していってくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。